2020.Jan. 24
SCALPEL、つまり外科手術用のメスのことですが切れ味鋭いシャープなイメージはこのバイクにぴったりのネーミングだと思います。
表彰台の常連であるキャノンデールファクトリーレーシングチームと共にワールドカップの最前線で熟成を重ねてきたピュアクロスカントリーマシン。
そのSCALPELの国内最上位グレード、実は既にメーカー完売となっています。

■Scalpel Si Carbon 4 (Mサイズ) ¥420,000 (税抜)
近年のワールドカップクロスカントリーではコースにガレ場やドロップが設けられていることが多く、難易度が年々上昇しています。
その厳しさたるや「こんなコースをXCバイクで走るのか」と思えるほどで、従来のXCバイクで攻略するのはプロライダーでも困難を極めます。
それに対応するべく下り性能を高めたXCバイクがトレンドとなりつつありますが、一方でXCバイクに重要な登りの軽さやペダリング性能も維持しなければならず、2つの相反するバランスを高度に反映したバイクでなければ「勝てない」状況になっています。
最新のSCALPELはまさにそんな1台。
そんな難しいバイクを作らなければいけないメーカーには気の毒ですが、僕らにとっては歓迎するべきことかもしれません。
なぜならこの1台だけでXCレース、王滝、トレイルライド、街乗りと様々なシーンを楽しむことが出来るからです。
昔ながらのカリカリなXCレーサーよりも汎用性が高く、競技には興味がないという方でも買う価値のあるバイクとなっています。


今年のキャノンデールのラインナップでは数少ない…というか唯一のアシッドグリーンカラーを纏ったフレーム。
これこそがキャノンデールのコーポレートカラーというお客様もいらっしゃるかと思います。
そう言った思い入れがない方でも純粋にキレイでかっこいいと思えるカラーではないでしょうか。

やはり目を引くのが、キャノンデールならではのLEFTY OCHO。
これまでダブルクラウンだったLEFTYをシングルクラウン化するという正気を疑うようなプロダクトですが、これが実によく出来ています。
去年の記事になりますが、インプレを書きましたので是非ご覧ください。

LEFTYもさることながら、SCALPELが優れているのはリア周りです。
シンプルなシングルピボットのスイングアーム式を採用しており、路面の挙動が掴みやすく、軽量化にも貢献しています。
一方でシングルピボットのバイクでありがちなのが、リアが動きすぎてしまうこと。
それを抑制すると今度は動きが渋くなったりするのですが、SCALPELのそれはシートステーのしなりを生かし、下りではしっかり衝撃を吸収し、上りでは荷重をかけてぐいぐい進んでいける設計になっています。
独特のバネ感あるフィーリングも魅力的です。



ドライブトレインは1xの12速。
メインコンポはSRAMのNXイーグルですので、ここをアップグレードすると更なる軽量化が図れそうです。
無線コンポーネントのEAGLE AXSや新型XTR等はいかがでしょうか。
足回りはかなりしっかりしていて、リムは前後ともSTANSのCREST。
フロントタイヤはシュワルベ RACING RAY、リアはRACING RALPHを装備しています。

完成車重量は12.2kg。フルカーボンなだけあってやはり軽いです。
フルサス完成車としてはこのままでも十分軽量ですが、軽く手を入れるだけで10kg台も十分狙えると思います。
こちらのバイク、メーカー在庫はS、Mサイズが完売でLサイズをわずかに残すのみ。
店頭にあるMサイズが当店では最後の一台です。
実はMサイズを探していた!という方は是非ご覧にいらしてください。