2020.Mar. 15
QUICK NEOの電動アシストユニットにはBOSCH製の物が採用されています。さながらebike戦国時代の様相を呈してきた昨今ですが、自社でのオリジナルユニットを制作するメーカーというのはほとんどなく、シマノかBOSCHどちらかを採用するメーカーが増えてきているようです。特に欧米ではBOSCHのシェアが高い様子。
自転車乗りでシマノのことを知らない人はいないと思いますが、BOSCHについてはどうでしょうか。世界有数の大企業であるBOSCHのことをこんなブログで解説するのは恐縮ですが、今日はBOSCHとそのユニットの話を書いて行きたいと思います。
BOSCHはドイツの企業で、本社はシュツットガルトという都市にあります。シュツットガルトといえば車好きにはピンとくる地名ですね。そう、ポルシェの本社がある場所です。
そんな都市に本社を構えるだけあって(?)BOSCHの主要な業務は自動車部品の製造です。その年間売上高は9兆円以上で、世界最大の自動車機器サプライヤーの座を長年キープしています。同郷のポルシェやBMW、アウディなどはもちろんのこと、多くの欧米車や日本車にもボッシュ製品が組み込まれており、精密かつ高性能な製品は車好きから厚い信頼を得ています。
自動車関連以外にも産業機器や建築機器、家電などの分野でもBOSCHは大手として名を馳せています。中でも電動工具はエンドユーザーにとって最も馴染み深いBOSCH製品かもしれませんね。当店でもインパクトドライバーはBOSCHの製品を使用しています。
このように様々な製品を手掛けるBOSCHですが、ebike関連に着手したのは2009年のこと。海外でebikeが一気に盛んになったのもここ10年の話なので、ebikeの隆盛はBOSCHの歩みと共にあったと言えるかもしれません。
BOSCHがリリースする国内用のドライブユニットは2種類あります。一つはeMTB向けのPerfomance Line CXというユニット。非常にパワフルで、急な登坂にも対応できる出力があります。また、テクニカルなオフロードでの繊細な操作が可能なeMTB向けのモード選択が可能です。
もう一つがActive Line Plusというユニット。Perfomance Line CXよりもフラットなトルク特性でサイクリング用途に適しています。また静音性に優れているのも特徴です。QUICK NEOに搭載されているのはこちらのユニットとなります。
バッテリーについても内装・外装や容量違いでいくつかの種類があります。QUICK NEOに使われているのはPowerTube 500という製品で、ebike界でも有数のWh(ワット/時)指数を誇る大容量バッテリーです。エコモードで160km以上というQUICK NEOの長大な航続距離はこのバッテリーを採用していることによるものです。
PowerTube 500のゼロからの満充電に必要な時間は4時間半。2年間の保証が付いており、寿命の目安となる充電回数は700回。これは700回しか充電できないという意味ではなく、0-100充電に相当する充電量700回分という意味。
リチウムイオン電池の例に漏れず、満充電もしくは完全放電状態で保管したり、高温の環境に晒されたりするとバッテリーの劣化が促進されるので注意が必要です。これらによる劣化の方が充電を繰り返すことによる劣化よりも度合いが大きいのだとか。
ドライブユニットのアシスト感はメーカーによってさまざま。アシストオン/アシストオフの切り替わりがシームレスでナチュラルであることを良しとするメーカーもあれば、モアパワーなアシストを重視するメーカーもあります。どちらが優れているというわけではなく、ライダーの好みの問題です。
BOSCHに関して言えば、レスポンスの良さとトルク感の強さを重視したチューンになっています。ebikeに慣れてきたライダーはレスポンスの良さを求めるようになるため、その点に関しては特に重視しているとのことです。
乗った感想ですが、ペダルに力を入れた瞬間からほとんどラグなしでアシストが始まります。トルクの湧き上がりも非常に豊かで、ターボモードだとあっという間に巡航速度に達します。もちろん時速24kmでアシストは切れるのですが、勢いがついているのでそこから時速30km以上に持っていくのは全く苦になりません。
30km巡航も十分可能ですが、これはQUICK NEOのジオメトリの優秀さによるものでしょう。
BOSCHのユニットはアシスト感が強く、いかにもebikeに乗っているという爽快感があってとても楽しかったです。この感覚は病みつきになります。アフターサポートが非常に充実しているのもありがたいですね。
ebikeはアシストユニットのメーカーで選ぶ、そんな時代が既に来ているのかもしれません。
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