2022.Jul. 5
初めに書いておくと、こちらの車体は既に完売となっており今後の入荷の見通しも立っておりません。
ですので当記事は読み物としてお楽しみいただけますと幸いです。
■Supersix EVO CX
EVOの派生モデルとして去年の8月に発表されたSupersix EVO CXとSE。
特にCXの方はあのSuperXの後継的な位置づけということもあり、問い合わせが殺到したものです。
ところでこのモデルを予約なしで購入できた方っているんでしょうか?
国内入荷量が少なすぎて、なまじの限定モデルよりも入手困難だったと思うのですが・・・
今回ご購入頂いたオーナー様も発表と同時に予約を頂き、店頭入荷予定分を確保。
そこから半年以上お待ちいただき、ようやく車体が到着。
代替品は入手不可能なので、塗装不良や機能不良がなくてほっとしたものです。
お待ちいただいている間にカスタムの打ち合わせが粛々と進んだこともあって、純正然とした面構えながらも中身は別物というイカしたバイクが出来ました。
細部を見ていきましょう。
標準のドライブトレインは1×11のSRAM RIVAL組みですが、2×11のアルテグラDi2へと変更。
RDは現在ではディスコンとなったRD-RX805をお持ちいただきました。
GRX登場以前の過渡期のグラベルコンポですが、キャパシティ以外はGRXのRD-R815と機能的な差はさほどありません。
カセットの丁数的にもGRXである必要は無かったのでちょうどよかったです。
クランクはフロントダブルに変更。
完成車に後付け用のFD台座が付属してくるので、FDの取り付けは特に難しい工夫をせずとも可能です。
この車体のBB規格は83mmAiのPF30なので、シマノのクランクは軸長の問題で使えません。
ということで素直にキャノンデールの純正クランクを使用。
クランクアームは完成車の物を流用しつつ、チェーンリングをグラベル用の46/30に換装しました。
ダブル化の際はスピンドルとスペーサー類もダブル用の物に交換する必要があります。
ホイールもHollowgram 35カーボンホイールにアップグレード。
これもフレームがAiオフセットなのでそのままでは後輪を入れることが出来ません。よってセンターをずらすことで対応。
これまでいくつかの完組ホイールをAiオフセット化してきましたが、このホイールでやるのは初めて。
上手くいくかどうかは実際やってみないとわからないものの、この個体では何とか作業可能でした。
当然ながらこの手のカスタムはメーカーの保証外、自己責任となります。
ちなみにスポークパターンが2to1の後輪はどうやってもAiオフセット化することはできません。
上位グレードのHollowGram 45 SL KNØTも同様です。
ハンドル・ステムも軽量なCANNONDALE ONEに変えていただきました。
純正とは重量が全然違います。
また、リアブレーキホースのルーティーンを上の写真のようにしてほしいというリクエストを頂きました。
ラクラン・モートンのバイクが同様の仕様になっていたそうですが、個人的にはそのバイクのブレーキが右前だったのが印象的でした。
撮影用の車体だったとかでしょうか?
Di2のエレクトリックケーブルは熱収縮チューブでまとめてみました。
それにしてもこのバイクのデザインは秀逸です。
メインカラーであるパープルヘイズは全面には配さず、あえて脇役気味に。
そうすることで全体に緩急が付き、差し色気味に使われている箇所の美しさが引き立ちます。
フォークやステーの裏側にはまた別のグラフィックが入っていて、角度を変えないと見えないという奥ゆかしい具合になっています。
この主張の少なさもいいですね。
兄弟モデルのEVO CXのシンプルなペイントも良いですが、この艶やかさはCXならでは。
そんなわけで希少車体のSupersix EVO CXのご紹介でした。
オーナー様はシクロクロスを本格的になさっている方で、このバイクも観賞用ではなく実戦投入するためのもの。
この手のバイクはピカピカの状態よりも泥まみれになっている方がずっとカッコいいと思いますので、シーズンインしたら是非その姿も拝見したいものです。
この度はありがとうございました!
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