2019.Jun. 10
歴代EVOを振り返ると言っても、EVOってまだ2代目なんですよね(笑)
しかし初代EVOがデビューしたのは2011年。実に8年前の出来事です。
8年も経てば様々なトピックがあったわけで、本日はSUPERSIX EVOがどんな変遷を辿ってきたのか見てみたいと思います。
記念すべき初代SUPERSIX EVO。
このモデルが発表されたときのサイクリストの熱狂は凄まじいものがありました。
フレーム単体重量695gという現在見てもぶっ飛んだ軽さでありながら、世界最高レベルの剛性と十分な強度を持ち合わせているフレーム。
のみならずレーシングバイクとしては抜群の乗り心地の良さ、滑らかな路面追従性。おまけに空気抵抗の削減まで実現。
あらゆる面で他社の数歩先を行く、まさに傑作と呼ぶべきバイクでした。
今となってはS社のイメージが強いサガンですが、当時はリクイガスに属していたのでレプリカモデルが作られたりもしました。
サガンは2012年から2016年にかけてツールでポイント賞を獲得し続けるという偉業を達成していますが、そのうち3回はEVOで達成されたもの。
2011年には下りが苦手なイケメンことイヴァン・バッソがジロで総合優勝を果たすなど、あらゆるシーンで活躍できるオールラウンダーとしてEVOはレースシーンで存在感を放ち続けました。
「EVO nano」というスペシャルグレードがリリースされたこともありましたね。
素材の一部にカーボンナノチューブを用い、塗装も最小限にとどめて通常よりも更なる軽量化を果たしたという最上位グレードです。
世界最軽量バイクの作成素材によく使われていた記憶があります。
余談ですが、トップチューブやステーに配置された「EVO」というロゴはある時期からなくなってしまいました。
これはエボリューションな自動車を製造していたとある日本車メーカーとの大人の事情だとか。
事実は不明ですが、EVOロゴのあるフレームはけして多くないので、該当のフレームをお持ちの方は大切にしましょう。
そして現行のSUPERSIX EVOが発表されたのが2015年のことです。
大きな変更点はシートポストの径がφ25.4になったことと、BB30Aが導入されたこと。
先代のようなセンセーショナルなイノベイションがなく地味なモデルチェンジと言われることもありますが、実際のところはまるで別物。
ジオメトリや製造方法など、目立ちにくくも性能に如実に関わってくる部分を煮詰めなおし、高次元でバランスの取れた新時代のEVOが誕生しました。
フレーム単体重量こそ777gに増加したものの、引き換えに得たパフォーマンスの素晴らしさに比べれば微々たるもの。
その走りの良さは今お乗りの皆さんが一番よくご存じだと思います。
間を置かずカスタムオーダーのCUSTOM LABOがサービス開始されたこともまだ記憶に新しいところ。
多種多様なパターンのデザイン、自由自在なカラーオーダー。
オプションでMAVICやENVEなどエンスーなブランドのパーツも用意されており、まさに世界に自分だけの一台を作り上げられるサービスとして人気を博しました。
当店でも何台か夢のスーパーバイクの作成のお手伝いをさせていただきました。
ディスク対応フレームが用意されたのもこの世代から。
フロントはスルーアクスルなのにリアはQRというキャノンデールらしさ全開のバイクですが、ディスクブレーキ化による剛性バランスの改悪を非常にうまく処理してあり、リムブレーキ版の良さをそのまま味わえる名バイクでした。
残念ながら2019年はカタログ落ちとなってしまいましたが・・・
次のEVOはどんな進化を遂げるのでしょうか。
あっと驚く奇抜なモデルになるのか、トラッドで真面目なルックスを継続するのかそれはわかりませんが、キャノンデールの持てる総力を注ぎ込んだフラッグシップモデルとなることは間違いありません。
今後もEVOから目を離せませんね。
それではまた!