2019.Sep. 2
ロードバイクの情報がインターネットや雑誌などで毎日のように目にできるようになっている今、「フィッティング」という言葉を聞いたことのある方はかなり増えてきているのではないでしょうか。
ロードバイクを買う際に行うバイクのサイズ選定とは異なり、ライダーひとりひとりの身体的特徴に合わせてクリート位置からバイクの各部パーツの寸法・取り付け角度などなど、バイクのセッティングを出していく作業です。簡単に言うと「ポジションが出ている」状態にする作業ですね。
余計な力のかからない効率のいいペダリング、安定しリラックスした上半身、腕は力が抜け肘は軽く曲がり自由に動かすことが出来る。視界にも余裕が生まれ状況判断も容易に。
写真は女性のライダー。日本人女性がロードバイクを乗る場合、身長からどうしても制約が出てしまうことが多いですが、フィッティングを受けていただくことで男性顔負けのかっこいいフォームでライドしていただけます。
なかなかライダー個人で適正なポジションを探し求めるのは難しいですしトライ&エラーを繰り返す長い時間も必要です。
例えばサドル高。パワーメーターをお持ちでしたら判断もしやすいですが、「この高さが一番力を入れやすい」と思っているサドル位置はもしかしたらただ力んでしまっているだけかもしれません。
股下×いくつなどの数式も存在します。ある程度ベターなサドル高になるとは思いますが、股下の長さが同じでもライダーそれぞれ脛の長さ大腿部の長さのバランスまで同じでしょうか?足首の柔軟性は?シューズのサイズは?クランク長は?
当然これは全身すべてに言えることで、寸法だけ測ってもフレームサイズの選定には有効ですが【ライダーそれぞれに合わせたポジション】が出るわけがありません。
またフィッティングはレースをしている人が受けるものと思っている方が多いですが、どんなライダーが受けてもメリットがあります。ケガせず、痛みを感じることなくライドを楽しむためのベース作りとしてホビーライダーの方にこそフィッティングを受けていただきたいと思っております。
キャノンデール横浜ベイサイドでは【RETUL FIT】という有料のフィッティングサービスをおこなっております。
まずはじめに現在どのようにバイクを楽しんでいるか・これからどのように乗りたいか・将来的な目標・骨折やねん挫などケガの履歴などインタビューさせていただいて、バイクが本当にお客様の身体に合うようカスタマイズするために可動域や柔軟性など身体の状態を見させていただきます。
その後写真のサイジングバイクを使い3Dモーションキャプチャーにて体の動き方や角度などを正確に測定。ライダーにとって快適でパフォーマンスの高いポジショニングをおこなっていきます。
ちなみにデジタル計測にて行うRETUL FITが¥30,000-、アナログ計測にて行うフィッティングが¥20,000-サービス料金としていただいております。
どちらも最終的な出口はほぼほぼ同じになるはずですが、デジタル計測の方が体全身の状態・動き方の把握が早くて正確なので、ライダーの負担も少なくより適正なフィッティングが可能です。フィッティングの概要をデータでお渡しできるというメリットもございます。
2020 Cannondale SUPERSIX EVO、オーダーをいただいた際にパーツのカスタマイズのご相談と同時にRETUL FITを受けていただきました。
FITデータという確固たる根拠をもとにハンドル位置を決めました。たくさん入っていたスペーサーはあっさり無くしてコラムもカットしてさっぱりと。見た目もいいですし、機能的な面からも高さが決まっていればコラムは切るべきです。
ちなみにEVOのようにケーブル類がほぼ内装になるバイクですと後からケーブルの長さを変えるのはちょっと大変です。なので長さに余裕をもって組み立てることもありますが、その状態はあんまりかっこよくありません。
また購入のタイミングでパワーメーターも同時にご注文いただきました。カラーリングがばっちりなのは置いておいて、クランクの長さを決めるのにもフィッティングは有効です。パワーメーター付きとなるとそう買い換えられるものでもございませんのでぜひ根拠を持って選んでください。
いつフィッティングを受けたらいいか?というご質問をよくいただくのですが、なるべく早くとお答えしています。唯一ロードバイクに乗り始めたばかりの初心者の方にはビンディングシューズに変えるタイミングがちょうどいいかもしれませんとお答えする場合もございます。
フィッティングによりパフォーマンスは明らかに変わります。体力が同じならより速くより遠くまで快適に走れます。お悩みの痛みが減ればバイクに乗る時間を増やすことができるかもしれません。
フィッティング、ご相談はメールでもお電話でも店頭で直接聞いていただいても、スタッフまでお気軽になさってください。