PARTS & ACCESSORY


SIクランクのオーバーホール

2019.Jun. 3

 

CAAD12やSUPERSIXなど、キャノンデールのロードバイクでおなじみのSIクランク。

当店では納車整備の際などは必ず分解整備を行っています。

どの様に脱着するのかご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、解説記事を書いてみました。

ちょっと写真が多いですが、ご興味のある方は是非ご覧になっていってください。

 

メインの工具はこちら。

10mmアーレンキー、8mmアーレンキー、そしてクランク外し工具の『KT013/』です。

 

まずは10mmのアーレンキーでクランクボルトを外します。

アーレンキーでクランクを傷つけないように注意しましょう。

 

外れました。

このクランクボルトは必ずワッシャーとセットになっています。

ボルトを外した際、普通ならワッシャーはそのままボルトにくっついて来ますが、稀にクランク側に残ってしまうことがあります。

忘れずに回収しましょう。

 

ボルトが外れたら、二つあるKT013の内小さい方をスピンドルに入れます。

8mmのアーレンキーを使って入れていきます。

 

あまり奥まで入れるのは厳禁!工具がスピンドルの中に落ちると回収が大変です。

逆にあまり手前で止めてしまうと次の工程が上手くいきません。

写真のように、スピンドルのふちよりほんの少しだけ奥で止めましょう。

 

次にKT013の大きい方をクランクアームにインストールします。

手でスルスル入ると思いますが、しっかりと締めこむために最後はレンチで締めます。

 

いよいよクランクを外していきます。

8mmのアーレンキーを使って、最初に入れたKT013(小)を左に回していきます。

するとKT013(大)が蓋となって、クランクがスピンドルから押し出されていきます。

 

わりとあっさりとクランクが外れます。

フレームやベアリングにダメージを与えないように気を付けつつ、反対側からスピンドルを抜いていきます。

 

左右のクランクアームがスピンドルから外れた状態です。

クランクを抜くだけならどちらか片方のアームを外せば良いのですが、納車整備やOHの時は両方外さないとできない作業もあるのでこうしています。

 

ワッシャー類が沢山入っていますが、入れ方を間違えると正しい組み付けが出来ません。

それぞれの部品がどんな仕事をしているのか理解すると自ずと順番もわかるようになりますが、最初は逐一チェックするのが無難です。

これらのワッシャーも綺麗にしておきます。

 

ベアリングの回転が正常であること、スピンドルのベアリング接触面が傷んでいないことを確認します。

以前もお話ししましたが、BB30の異音はスピンドルの傷みが原因であることがほとんどです。)

特に問題が無ければ、ベアリングとスピンドルそれぞれの接触面にワコーズのブレーキプロテクターを塗布します。

 

この作業ではブレーキプロテクターを使用するように指定されています。

なぜブレーキプロテクターなのかというと、摩耗を防止する力が非常に強いから。

これ以外のグリスを使うとスピンドルの摩耗の進行が早まる可能性があります。

異音予防の為にも必ずブレーキプロテクターを使用しましょう。

 

ドライブサイドにスピンドルを取り付けてどん突きまで挿入しました。

次はノンドライブサイドの組付け。

ベアリング側からベアリングシールド、スペーサー、ウェーブワッシャー、クランクアームの順番で取り付けていきます。

この際に気を付けないといけないのがこのグレーのスペーサー。

場合によっては入れる枚数を変えることがあります。

 

上の画像ではウェーブワッシャーの部分に隙間があるのが見えると思いますが、この隙間は1mm以下でなければいけません。

組付けた後、隙間が大きく開いている様ならスペーサーを追加します。

 

指定トルクの40Nmで締めた所です。

隙間がなさすぎる=スペーサーを入れすぎている状態だと回転が渋くなります。

可能な限り隙間が小さく、なおかつ滑らかに回転する状態が理想です。

 

DIY派からのリクエストを頂く事があるので、KT013やブレーキプロテクター、あるいはBB30関係のスモールパーツは可能な限り店頭に在庫するようにしています。

 

部品の精度の向上により、BB30=異音というイメージはもはや過去の物となりつつあります。

しかしそれは正しい組み付けが前提であることは言うまでもありません。

今回も紙面の都合で省略した工程がありますし、個体によっては特別な処置を施すこともあります。

間違った組み付けをしていたり、長期にわたってメンテナンスを怠れば不具合が発生してしまうのはどんな規格でも同じです。

 

何が言いたいかというとBB30のトラブルを予防するには定期的なメンテナンスをするのが重要ということです。

折しももうすぐ梅雨シーズン。ライドが出来ない休日はメンテナンスに充ててみませんか。

作業のご依頼は随時承っておりますので、納期や工賃などお気軽にお問合せ下さい。

 



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