2022.Dec. 10
最小限のシンプルなギミックで、最大限のパフォーマンスとエキサイトを得る。
唯一無二のキングピンサスペンションで世界中を熱狂の渦に叩き込んだ、あのグラベルバイクの新型がついに店頭入荷しました。
■Toptstone Carbon 4 スモークブラック ¥314,600-(税込)
アルミのTopstoneとカーボンのTopstoneが全く別のキャラクターであることはこれまで何度もお話ししてきましたが、その違いの根源がキングピンサスペンションです。
シートステーとシートチューブの接合部にピボットを設けることでリアトライアングルにサスペンションと同様の働きをさせる。
これにより後輪のトラクションを飛躍的に高めると同時に、高い衝撃吸収性能も獲得。
Topstone Carbonの代名詞となっているテクノロジーで、このバイクの高い評価はまさにキングピンによってもたらされたといっていいでしょう。
初代である先代は、デビューイヤーでいきなり王滝グラベル部門をダブル優勝し、海外のグラベルレースでも好成績を挙げました。
極上の乗り心地とかかりの良さから舗装路においても大活躍し、我々のお客様でもブルベで愛用されている方がいらっしゃいます。
一般的なグラベルバイクはオフロード性能とオンロード性能どちらかを切り捨てることを強いられますが、どちらの領域も高次元でこなすという点でエポックメイキングなバイクでした。
その傑作バイクがモデルチェンジしたとあって注目度は抜群。
どう変わったのか見ていきましょう。
まずはキングピン。
先代はピボット内部にボールベアリングが封入されていましたが、新型ではブッシュになっています。
2度くらいしか回転しないのにベアリングが必要なのか?というのは薄々思っていましたが、やはり変えてきました。
これにより100gほどの軽量化を果たしたとのこと。
また定期メンテナンスが必要なベアリングを廃したことでよりユーザーフレンドリーに。
続いてはボトムブラケット。なんと一般的なJIS規格のねじ切りBBになっています。
これにより先代では装着することのできなかったシマノクランクにも対応するようになりました。
(注:今回入荷分の車体はクランクがFSAとなっています。)
先代では純正クランクかSRAMのキャノンデールAi用クランクしか選択肢がなかったので、このアップデートに喝采を上げている方も多いのでは。
足回りにも大きな変更点があります。
まずは後輪がAiオフセットではなくなりました。
(Aiオフセット構造についてはこちらも参照してください。)
個人的にはAiオフセット自体は非常に合理的な発想なので捨てるには惜しいと思っています。
しかしながら、やはり市販のホイールがそのまま使えないという嘆きの声が多く聞かれたのは事実。
上記のBBが特殊規格だったのもAiオフセットに対応するためなので、ユーザビリティが向上したことは喜ばしいと言えるでしょう。
Aiオフセットにはタイヤクリアランスを広くできるという利点もありました。
それを捨て去ったことで太いタイヤが履けなくなっているのかと思いきや、タイヤクリアランスは700cで45mmまで対応とむしろ拡充されています。
完成車にもリミットいっぱいの45cタイヤが装着されており、先代標準の37cと比べると迫力の違いは明らか。
この秘密はグラベルバイク界隈でよくみられるドロップドチェーンステーの採用によるもの。
上の写真をみると手前側と奥側でチェーンステーの高さが違っているのがわかりますか?
これはドライブ側のチェーンステーがチェーンリングとタイヤの一番接近する部分を避けるような軌道になっているんですね。
この変更により、新型Topstone Carbonは全てのグレードで700cホイールの装着が前提となりました。
またチェーンリングを標準より大きくすることも(恐らくは)難しいので、この点には注意が必要です。
Synapseでおなじみのスマートセンスに対応するようになりました。
一部のスマートセンス標準装備のグレード以外はバッテリークレードルの代わりにストラップラックがついています。
付属のゴムバンドを使って下の写真のようにチューブやら携帯工具やらを収納可能。
ちなみにこのラックは工具なしでも脱着可能です。
ラックを外すとダウンチューブ内部にアクセス可能になるので、メンテナンス時にホースにアクセスしたり、某社のSW〇Tのような収納ができるかも?
その他細かい点ですがシートポストの固定がCAAD13やEVOのような押し子によるものではなく、一般的なシートクランプによる固定となりました。
これにより他社製のシートクランプでドレスアップができるように。
飛び乗りをした際の破損のリスクが少なくなったというのもメリットでしょうか。
Topstone AL同様、フロントフォークのサイドダボが増設されました。
Topstone Carbonの数少ない弱点である積載性能の少なさ(リアキャリアが付けられないことによる)を補ってくれます。
アルミのTopstoneをご購入いただく際に、これを理由に旧型ではなく新型をお選び頂く事が想像以上に多いです。
我々が考えているよりもここのダボの需要は大きいのかもしれません。
今回入荷してきたのはシリーズ中もっともベーシックなTopstone Carbon 4となります。
メインコンポはGRX400となっており、パッケージ的には以前のTopstone Carbon 6相当と言えるでしょうか。
GRX400はティアグラ相当の10速コンポですが、105とティアグラよりも変速やブレーキの性能差が少なく、満足度は高いです。
カラーは2色。
先ほどからご覧頂いているこちらはスモークブラックというカラー。
濃い灰色、薄い灰色、ブラックのトリコロールとなっており、シックでオシャレ。
もう一色はTopstone AL2でも採用されているオリーブグリーン。
まさにグラベルバイクの王道と言えるカラーで、土や泥で汚れるほどに味が出ることでしょう。
この色はTopstone AL2でも非常に人気があります。
性能を犠牲にすることなく独自規格から汎用規格への変遷を成し遂げた新型Topstone Carbon。
クレージーさが薄れたのは個人的には少々寂しいですが、ユーザービリティの向上はイチ自転車乗りとしても売る側としても大歓迎です。
税抜30万円を切る価格設定というのもキャノンデールの心意気を感じます。
何と言ってもフルカーボンのバイクがこの価格というのは今の時代ではちょっとした奇跡です。
例によって入荷数量はごく少量ですので、お探しの方はお早めにご検討ください。
お客様の安全とスタッフの健康状態を保つ為、何卒ご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。
11月1日より定休日ならびに営業時間を変更いたします。
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